リンチという習慣

2015年07月15日 10:58

シレットで13歳の少年が柱に縛り付けられ撲殺される動画投稿がfacrebookに投稿され,話題になっています.
AFPが日本語配信していたので,ウェブで読まれた方もいるかもしれません.

13歳少年の撲殺動画がネットに、バングラデシュに怒り広がる


現地の新聞でも連日取り上げられています.
既に数名の逮捕者が出ており,残りの容疑者も追跡中とのこと.

Protesters demand Rajon killers to hang

Dhaka bursts into protests against Rajan’s murder


警察が容疑者の逃亡を手助けしたのではという疑いもかかっています.

Policeman 'helped' main culprit flee



残念ながら,バングラデシュではこういったリンチは珍しくありません.

今回は撲殺されたのが13歳の少年だったこと,彼が窃盗の冤罪(と言われている)でリンチを受けたこと,
更にその様子がSNSに投稿されて広まったことで世論の反発を招きました.
彼が家計を助けるために学校を中退して野菜売りをしていたということも悲劇性を高め,
国内の法律や社会・文化団体などで抗議運動が起きています.

一方で,ニュースにもならないリンチは無数にあります.
死に至らないものを含めれば,それほど珍しくない話です.

私も見かけたことがあります.
しかもグルシャンで.

マーケット前の歩道の柱に男性が括り付けられて,周りを10人くらいの男たちが取り囲んでいました.
車で通り過ぎただけだったので殴りつけているというような場面は見ませんでしたが,
バングラデシュ人いわく「おそらく盗みをして捕まったのだろう」とのこと.

流石に毎日そこここで見かける,という程ではないのですが
昔からリンチという制裁方法がこの地域で取られてきた名残は,現代にも強く残っています.
何か事が起こったときにカッとなって集団で迫る.

以前は特に,自動車で人を轢いてしまった場合には,
とにかくその場から一刻も早く逃げろと強く言われていました.
ドライバーだけでなく乗っている人は周りの人にリンチに遭うからという理由です.

昔はとくに自動車に乗っている=お金持ちというやっかみもあり,事故を起こした時には
一時的にその鬱憤をはらす免罪符を手にした気分になってやっているのだと聞いた事があります.
背景には,警察や司法がきちんと機能しないという前提もあると思います.
どうせお上は金次第なんだから,オレたちが制裁を加えるんだ,という考えもあるような.

事件そのものよりも,事件として扱われない背後の無数のリンチをより強く意識したニュースでした.


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