「バングラデシュ政治小考 -歴史とイスラームのかかわりから-」

2015年02月16日 09:11

一昨日の夜,広島修道大学の高田先生来バの機会に
「バングラデシュの政治とイスラムを知る夕べ」という小さな講演会が催されました.
有志の集まりでしたが20人以上集まっていました.記事名は講演レジュメのタイトルからとっています.

高田先生と言えば『バングラデシュ民衆社会のムスリム意識の変動』という本を書かれています.
収録されている論文を2本くらい学生時代に読んだことがありますが,
分厚さと重さでなかなか本棚から取り出せないという...そのうちレビューしたいとは思っていますが.



バングラデシュがイスラーム化していく過程をバングラデシュの歴史と絡ませながら概説していただきました.

バングラデシュは建前上「バングラ・デシュ」(ベンガル人の国)となっていても,
実態は「ベンガル・ムスリムの国」として独立したこと,
エルシャド時代に本格的にイスラームを政治利用してきたこと(イスラーム国教化もこの時代),
1990年代からホルタル(ホッタール)が政治的手法として多用されるようになってきたことなど,
今まさに起こっている政治的な出来事に直結する背景などをお聞きすることができました.

国としての歴史が短いだけに,独立時のしがらみをまだ引きずっているというのが良く分かります.

現在の混乱も,単にAL vs BNPという単純な構図だけでは理解できない,
様々な対立軸が絡み合ってその時々の状況で離合集散,対立軸の組換えが頻繁に生じるというのは
新聞の紙面を流し見読みしているだけではなかなか見えてこないですが,
たしかに日常生活でもそういったことが実感される場面があります.

ホルタルについての政治的正当性の矛盾などについてはうやむやなところがバングラらしいというか.
(ホルタルを呼びかけること自体は自らの政治的主張を表明する手段として認められる権利であるので
合法としながら,それが暴力・威圧等で他者の権利を侵害いない限りという条件付.
そもそもホルタル自体が暴力・威圧等々を内包しているという性質からして,矛盾を孕んでいる)

今年2月9日付けのThe Daily Starの記事が紹介されましたのでリンクを張っておきます.
Hartal and Oborodh Still Lawful!
ここではホルタルがインドにおいて英統治政府に対してガンジーが政治的対抗手段として
使用したことに起源があると考えられていること,そしてその合法性などについて書かれています.


お話の中で印象的だったのは,

”jader dal nei, tader ksamata nei” (党派無き者に力なし)

というバングラデシュ人の党派主義・分裂傾向が国としても組織としてもまとまりづらくさせているという点.
これは,そういったことが実感される場面が日常生活でもあります.
職場などでもすぐにグルーピングして対立・足の引っ張り合いをしてなかなか一致団結できない.
このお話を聞きながら,以前バングラデシュ人の友人が言っていた言葉を思い出しました.

「バングラデシュ人が2人いると3つ政党ができる」

最初二人で一緒に政党つくって,そのうち意見が分かれてそれぞれ別々につくる.
まさにこれだよ!と思いました.


あと小話として興味深かったのは,世界中のモスクにバングラデシュ人がいるという話.
バングラデシュからはアラビア諸国でイスラームを勉強する人がかなりの数いるそうです.
そこで修了したバングラデシュ人イマームが,世界各地のモスクに出稼ぎに行っている,という話でした.
きちんとアラビアのイスラーム教育を受けているうえになんといっても安い.
ということでけっこう引き合いがあるそうです.日本のモスクにもバングラ人イマームいるらしいですよ.




最近ホルタル続きで日本人学校での柔道がないので身体が鈍り過ぎて危機感を覚えたため,
しばらくサボっていた筋トレを開始.結果,見事な筋肉痛で朝起きるのがツライ.


コメント

  1. Tomo | URL | /aky1MRQ

    勉強になりました。
    ホルタルはインドが起源だったのですね、そのインドに、こらから向かいます。
    3月3日まで滞在予定です。

  2. Naoko | URL | -

    >Tomo さん

    ホルタル起源となったのはインドの反英運動と言われていますが,
    非暴力だったはずなのですが,現状は鬱憤晴らしの機会みたいになっちゃっていますね.
    私はインド(というかコルカタ)相性悪いんですよね...お気をつけて.

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